AffinityのiPad版をCanvaが公開、個人は無料・AIは有料プラン

AffinityのiPad版をCanvaが公開、個人は無料・AIは有料プラン ITニュース

Affinity の iPad 版を、Canva が2026年11月2日(日本時間)に App Store で公開しました。写真編集・イラスト・ページレイアウト・お絵かきを 1 本のアプリでこなせるデザインアプリで、iPad と Apple Pencil を持っている人なら、個人は無料で使い始められます。

結論から言うと、個人はスケッチ・ピクセル・ベクター・レイアウトの全ツールと書き出しを無料で使えます。ただし、ノイズ除去や背景の切り抜きなどの AI 機能(Canva AI Studio)は Canva の有料プランが必要で、ブックや一括処理など、デスクトップ版にあって iPad 版にない機能もあります。 製品の詳しい説明は、iPad用Affinity の製品ページ(Affinity 公式)で見られます。

Affinity の iPad 版で何ができるか

アプリ本体は App Store の「Affinity by Canva」(販売元 Canva Pty Ltd)で配信されています。Canva は2026年9月の Canva ProSuite の発表(Canva Newsroom)で、新しい iPad 版が 11 月に登場すると予告していて、その予告どおりの公開です。Affinity 公式サイトのトップでも、iPad 版を「Just dropped」として掲げています。

4 つのスタジオを 1 つのファイルで切り替える

iPad 版の中心は、1 つのアプリに入った「スケッチ」「ベクター」「ピクセル」「レイアウト」の 4 つのスタジオです。1 つのファイルの中でスタジオを切り替えながら作業できます。写真を整えて、ベクターで図を描き、ページに組む、という流れを、アプリを行き来せずに進められるわけです。定食のお盆に主菜・副菜・汁物が並んでいて、箸を置かずに食べ進められる感じですね。

公式は、iPad のためにゼロから作ったと説明しています。

Apple Pencil とタッチ操作

  • Apple Pencil の筆圧・傾き・バレルロール(回転)に対応
  • スケッチ用に、編集できるブラシが 350 種類以上
  • ピンチでの拡大や、指でのドラッグなどのタッチ操作にも対応

読み込める形式と書き出せる形式

項目 対応する形式
読み込み PSD・AI・INDD・IDML・PDF・SVG など
書き出し JPEG・PNG・WebP・PDF・SVG・EPUB・INDD、Canva への直接書き出し

Mac・Windows 版と同じ .af ファイルを端末をまたいで使えます。また、オフラインのときでも編集の結果がすぐ表示される、と公式は説明しています。

Affinity の iPad 版の料金と AI 機能

ここがいちばん誤解しやすいところです。無料の範囲と有料の範囲を分けて整理します。

区分 内容
個人は無料 スケッチ・ピクセル・ベクター・レイアウトの全ツールと書き出しを、制限なく使える。今後のアップデートも無料と公式は説明
必要なもの Canva のアカウント(無料のアカウントで可)
有料プランが必要 ノイズ除去・ぼけの補正・背景の切り抜きなどの Canva AI Studio の機能。Canva の有料プラン(Pro・Business・Enterprise・Education)が必要
アプリ内課金 Canva Pro(月 ¥1,180/年 ¥8,300)、Canva Business(月 ¥1,880/年 ¥18,800)

App Store では無料で、アプリ内課金があります。アプリ内課金の項目は Canva Pro・Canva Business のプランで、AI 機能(Canva AI Studio)はこうした Canva の有料プランで使えるようになります。描く・編集する・書き出すだけなら課金は要りません。なお、公式は、Affinity で作った作品を AI の学習に使わないとしています。

無料と書かれているのは「個人」向けです。個人以外の立場で使うときの条件は、公式の利用規約で確かめておくのがおすすめです。

Affinity の iPad 版にない機能と注意点

iPad 版は、デスクトップ版とまったく同じではありません。公開時点で、iPad 版には次のような機能がまだありません(公式は例として挙げています)。

  • ブック(Books)
  • 一括処理(Batch)
  • データ結合(Data Merge)
  • クイック調整
  • 情報・スコープのパネル
  • マクロの記録
  • 天体写真スタジオ

公式はこれらを「など」と例に挙げたうえで、今後も iPad 版への機能の追加を続けるとしています。これらの機能を使う作業は、今のところ Mac・Windows 版で行うことになります。

PSD・AI・INDD のファイルは崩れることがある

PSD・AI・INDD などを読み込める一方で、公式は形式ごとに次のような注意書きをしています。

  • PSD: スマートオブジェクトと拡張フィルターはフラット化されます(基本的な編集はできるまま)
  • AI・PDF: アピアランス(外見のスタック)・マスク・高度なエフェクトが、フラット化・単純化される場合があります
  • INDD・IDML: GREP スタイル・アンカー付きオブジェクト・表など一部の高度な書式で、手直しが必要になる場合があります

ほかのアプリで作ったファイルを持ち込むなら、元のファイルは残したまま、開いた後の見た目を確かめておきたいところです。

動作条件

項目 内容
対応端末 iPad
OS iPadOS 18.0 以降
容量 約 1.9GB
言語 日本語を含む 10 言語

使い始める前にやっておきたいこと

  1. iPad が iPadOS 18.0 以降か、空き容量に余裕があるかを確かめる。 アプリだけで約 1.9GB あります
  2. Canva のアカウントを用意する。 無料のアカウントで使い始められます
  3. AI 機能が必要かを先に考える。 ノイズ除去や背景の切り抜きを使いたいなら、Canva の有料プランが別に必要です
  4. iPad 版にない機能を使っていないか確かめる。 ブック・一括処理・データ結合を使う作業は、Mac・Windows 版に残しておきましょう

旧 Affinity V2 の iPad 向けアプリ(Photo 2 / Designer 2 / Publisher 2 for iPad)の今後については、公式の iPad のページには書かれていません。

2026年11月2日時点の情報です。ほかの IT の話題は、技術ネタカテゴリーからどうぞ。

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