IDARE の不正アクセスで、登録者約13万人の個人情報が漏えいしました。残高や取引履歴まで含まれているため、利用者はもちろん、社内でキャッシュレスサービスを使っている人がいる情シス担当者も、まず「対象かどうか」を押さえておきたい話です。
いつ発表された情報か
- 運営会社 Fivot の発表日: 2026年10月13日(公式ページには日付のみで、時刻の記載はありません)
- この記事の執筆日: 2026年10月14日
- 出典: Fivot / IDARE「「IDARE」における不正アクセスによる個人情報漏えいに関するお知らせとお詫び」
- 裏付け: ITmedia NEWS の報道
この記事の事実は、公式のお知らせに書かれている内容に限っています。
IDARE の漏えいで対象になるのは誰か
結論から書くと、対象は 2026年9月27日までに IDARE に登録した 129,659 人です。退会済みの人も含まれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 2026年9月27日までの登録者 129,659 人(退会済みを含む) |
| 原因 | カスタマーサポート等の業務で導入していた外部ソフトウェアの脆弱性の悪用 |
| 不正アクセスの期間 | 2026年8月10日から9月27日の間に複数回 |
対象者には、メールで個別に案内するとされています。自分が対象かどうかは、まずその案内メールで確かめるのが近道です。不明な点は、公式が案内している「お問い合わせ」の窓口へ連絡してください。
悪用された外部ソフトウェアの製品名や CVE 番号は、公式のお知らせに記載がありません。この記事でも書きません。
IDARE で漏えいした情報と、漏えいしていないとされる情報
公式のお知らせでは、漏えいした項目が、全対象者と一部の対象者に分けて書かれています。
| 区分 | 漏えいした項目 |
|---|---|
| 全対象者 | 電話番号、メールアドレス、生年月日、ユーザーID、表示名などの登録情報/アカウントの設定・ステータス/残高/取引履歴/IDAREカードの名義と有効期限 |
| 一部の対象者 | 氏名・住所・性別・利用目的・本人確認書類の番号などの本人確認時の申請内容/IDAREカード番号の下4桁/入金用クレジットカード番号の先頭6桁と下4桁/入金用銀行口座番号の下3桁/リアルカードのアクティベーションコード/貸付サービス LADDER の利用目的で 2021年10月までに入力した年収・勤務先などの属性情報 |
一方で、公式は次の情報は漏えいしていないとしています。
| 区分 | 漏えいしていないとされる項目 |
|---|---|
| 本人確認 | 本人確認書類・顔の画像 |
| ログイン | ログインパスワード |
| IDAREカード | 全桁の番号、セキュリティコード、暗証番号 |
| クレジットカード | 全桁の番号、有効期限、セキュリティコード、暗証番号 |
| 銀行口座 | 全桁の番号、暗証番号 |

リアルカードのアクティベーションコードは漏えい項目に入っていますが、公式は第三者のアカウントでは使えないとしています。
ごはんにたとえると、名簿と注文履歴が持ち出されたけれど、金庫の鍵と暗証番号は無事だった、という説明です。ただし、これは運営会社の調査結果です。名簿と注文履歴だけでも、悪用のしかたはあります。
IDARE の漏えいで起きうる被害と、公式が示す対応
公式が示している現状は次のとおりです。
- 現時点で、本件に起因する不正な取引は確認されていません
- 残高は保全され、サービスは通常どおり利用できます
- 新たな不正アクセスも確認されていません
- ログインには多要素認証が必須で、漏えいした情報だけでは第三者はログインできないとしています
ここで読み違えたくないのは、確認されていないのが「不正な取引」だという点です。電話番号、メールアドレス、生年月日、残高、取引履歴が外に出ている以上、それを材料にした詐欺の連絡が来る可能性は否定されていません。実際に公式も、Fivot や IDARE を装った不審なメール・SMS・電話が届く可能性があると注意喚起しています。
公式が示している注意点は、次の2つです。
- Fivot や IDARE を装った不審なメール・SMS・電話に注意する。身に覚えのない連絡のリンクや添付ファイルは開かず、個人情報を入力しない
- 同社は、メール・SMS・電話でパスワード、暗証番号、セキュリティコード、多要素認証コードを尋ねない。尋ねられたら応じない
運営会社側の対応としては、不正アクセスの経路の遮断、当該ソフトウェアの利用終了、関連する認証情報の更新を完了したとされています。法令に基づく報告、再発防止策の策定、弁護士を含む第三者による調査も進めています。再発防止策には、脆弱性情報の継続的な監視、アクセスログの監視・アラート体制の整備、外部専門家による第三者調査の受け入れ、情報管理体制の強化が挙げられています。
情シス担当者が IDARE の件でやること
公式にあるのは、利用者向けの注意喚起です。それを踏まえて、情シスの立場で「やるとよいこと」を整理します。ここから先は公式の指示ではなく、この記事の提案です。
| やること | 位置づけ |
|---|---|
| 社内の IDARE 利用者がいるかを確かめる(業務で使っていない場合は不要) | 提案 |
| 利用者に、公式のお知らせと、案内メールの有無を伝える | 提案 |
| 「Fivot や IDARE を名乗る連絡で、認証コードや暗証番号を聞かれても答えない」を社内に周知する | 公式の注意喚起と同じ内容 |
| 不審なメール・SMS を見つけたときの社内の報告先を、あらためて伝える | 提案 |
ごはんにたとえるなら、お店の名簿が外に出たと聞いたら、「お店を名乗る電話には、暗証番号を教えない」と家族に先に言っておくようなものです。被害が出てから動くより、連絡が来る前に一声かけるほうが、ずっと安上がりです。
IDARE の件で確認できていない点
次の点は、公式のお知らせに記載がなく、確認できていません。断定しないでください。
- 悪用された外部ソフトウェアの製品名と CVE 番号
- 個人情報保護委員会への報告の時期などの詳細(「法令に基づく報告を進めている」とだけ書かれています)
- 公式ページの正確な掲載時刻と、更新の履歴
漏えいした項目や対応は、今後の調査で更新される可能性があります。実際に動く前に、公式のお知らせで最新の内容を確認してください。
まとめ
- IDARE の不正アクセスで、2026年9月27日までの登録者 129,659 人(退会済みを含む)の情報が漏えいした
- 全対象者で、電話番号、メールアドレス、生年月日、残高、取引履歴などが漏えいした。ログインパスワードや各種カードの全桁番号などは、漏えいしていないとされる
- 現時点で確認されていないのは「不正な取引」。漏えい情報を使った詐欺の連絡は、警戒が必要
- 公式の注意喚起は、不審な連絡のリンク・添付を開かない、認証コードや暗証番号を教えない、の2点
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