防災メールの配信サービス「SpeeCAN RAIDEN」を運営するアルカディアが、不正アクセスを受けて、登録者のメールアドレスなどが漏えいした可能性を公表しました。公式ブログによると、メールアドレスは最大約313万6千件(公式は推定値としています)で、調査は継続中です。10月14日の更新では、NET119と119RAIDENでも不正アクセスがあったことが追記されました。住んでいる自治体や子どもの学校によっては、自分のメールアドレスが対象かもしれない話です。
いつ発表された情報か
- アルカディアの公式ブログ: 初回掲載は2026年10月13日 18:47、最終更新は2026年10月14日 17:12(ページ内の時刻は日本時間として扱いました)
- 10月14日の更新内容: 10:40 に二次被害への注意の文例を追加、15:00 にNET119・119RAIDENでも不正アクセスを確認、16:00 に対象外のURL2件を訂正、17:12 にNET119の記載を修正
- 横手市の公式ページ: 最終更新日は2026年10月14日(時刻の記載なし)
- この記事の執筆日: 2026年10月15日
- 出典: アルカディア「SpeeCAN RAIDENへの不正アクセスによる個人情報漏洩の可能性について」
- 出典: 横手市「よこて安全・安心メール等の配信停止について」
- 経緯の補足: アルカディア「不正アクセスに伴う一部サービスの緊急停止について」(10月13日15:50更新)
- 参考: マイナビニュース TECH+ の報道
この記事の事実の部分は、アルカディアと横手市の公式ページに書かれている内容に限っています。提案は「提案」と明記します。
防災メール停止の原因は、事業者のサーバーへの不正アクセス
結論から書くと、不正アクセスを受けたのは、アルカディアが運営するサーバー・サービスです。各自治体が個別に攻撃されたのではありません。横手市の公式ページも、理由を「運営事業者のサーバーへの第三者による不正アクセス」としています。
公式ブログによる経緯は、次のとおりです。
| 日時 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年10月11日 16:30 | 不正アクセスを疑う不審な挙動を検知 |
| 2026年10月12日 午前3時頃 | 暫定対応で侵入経路を塞ぎ、影響調査を開始 |
| 2026年10月13日 | 侵入経路を特定。SpeeCAN RAIDEN(raiden3.ktaiwork.jp の利用者が対象)とライデン・スクール(s2.ktaiwork.jp の利用者が対象)を緊急停止 |
| 2026年10月14日 15:00 | NET119と119RAIDENでも第三者による不正アクセスの形跡があり、個人情報が漏洩した可能性があると追記。対象URL: net119.speecan.jp、net119fd.speecan.jp、fs119.ktaiwork.jp(どのURLがどのサービスのものかは、原文に区分がありません) |
公式ブログは、10月13日時点で、不正アクセス元のIPアドレスを特定してアクセスを拒否する設定にし、今回停止していないサービスはサーバーの点検の結果、不正なプログラムが設定されていないことを確認したとしています。10月14日15:00の更新では、影響範囲を拡大し、全サービスを対象に不正なプログラムが設定されていないかを調査中としています。
緊急停止したのはSpeeCAN RAIDEN(raiden3.ktaiwork.jp の利用者が対象)とライデン・スクール(s2.ktaiwork.jp の利用者が対象)です。10月14日15:00の更新には、「現時点でサービス停止の検討はございません。通常通りご利用いただける状態です」とあります。どのサービスについての文かは、原文に明記されていません。
防災メールの漏えいの可能性がある情報と件数
公式ブログの初報(10月13日)で、漏えいの可能性があるとされたのは、次の情報です。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 漏えいの可能性がある情報 | 連絡先の名前、メールアドレス、電話・FAX番号、担当者、契約情報、履歴として保存されている本文に記載されている内容 |
| 最大件数(公式は推定値としています) | メールアドレス約313万6千件、電話番号約10万5千件、FAX番号約1万5千件 |
| 対象外とされる情報(SpeeCAN RAIDEN) | 決済情報、クレジットカード情報(初報で、取り扱いがないため対象外としている) |
公式は、この件数を推定値であり、継続して調査を進めているとしています。ここで押さえたいのは、公式の語が「漏洩の可能性」であることです。漏えいが確定したのではなく、可能性の段階です。決済情報とクレジットカード情報は、公式ブログの初報で、SpeeCAN RAIDENについて取り扱いがないため対象外とされています。NET119・119RAIDENについて同様の記載があるかは、この記事では確認できていません。いずれも公式の説明であり、この記事が「安全」と請け合うものではありません。
ごはんにたとえると、お店の予約台帳の控えが外に出たかもしれない、という状況です。会計の記録は、そもそも置いていないというのが、初報でのSpeeCAN RAIDENについての公式の説明です。
10月14日15:00の更新で追記されたNET119と119RAIDENについて、公式ブログは次の項目を漏えいの可能性として挙げています。
- 利用者の名前、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス、FAX番号、他サービス登録時に入力した情報
- 連絡先の名前、メールアドレス、電話・FAX番号
- 担当者、契約情報
- 履歴として保存されている本文に記載されている内容
なお、公式は、NET119の映像通報は現時点で漏洩の可能性はないとしています。
10月14日15:00の更新には件数も載っています。見出し「漏洩の可能性がある個人情報の最大件数」の下に、約13000件、内訳としてメールアドレス約97000件、電話番号約17000件、FAX番号約400件とあります。どちらのサービスの件数かは、公式の本文で区分されていません。数字の関係はこの記事では解釈せず、公式の表記のまま紹介します。10月14日16:00の更新で、fs119.speecan.jp と 119r.speecan.jp は調査の結果、対象外と訂正されています。
防災メールの配信停止は、自治体の住民向け連絡に及ぶ
事業者側の停止が、自治体の住民向け連絡に直接響いています。横手市の公式ページによると、よこて安全・安心メール、小中学校から保護者へのメール、学童保育の保護者向け一斉連絡の配信を、2026年10月13日 11:00 から停止しています。事業者は復旧作業中ですが、復旧日は未定で、不正アクセスの範囲と個人情報漏えいの有無を調査中とのことです。同市のページに件数の記載はありません。
マイナビニュース TECH+(10月14日 14:53 掲載)によると、10月14日時点で14市町と宮崎県の計15件の影響が確認されています。同記事は、漏えいの可能性とサービス停止は別の話であり、各自治体の公表件数は実際に漏えいした件数とは限らないと説明しています。これは報道による二次情報です。
SpeeCAN RAIDENとライデン・スクールの復旧については、横手市の10月14日更新のページと、公式ブログ(10月13日15:50更新)は、どちらも復旧日時を未定としています。10月14日時点の復旧状況は、公式ブログでも確認できませんでした。
防災メールの登録者が取る対策
公式ブログ(10月14日10:40の更新)は、サービスを利用する管理者(自治体など)に向けて、登録者へ周知するための注意喚起の文例を載せています。要旨は次のとおりです。
- 不審なメールやメッセージに注意する
- 不審な連絡に対して、氏名、住所、パスワード、口座情報などの個人情報を提示・入力しない
- 身に覚えのない送信元や不審なメッセージに記載されたURL・添付ファイルは開かない
横手市も、不審なメールのURLや添付ファイルを開かないこと、そのようなメールへの返信で氏名・住所・パスワード・銀行情報・クレジットカード情報を入力しないことを呼びかけています。公式ブログは、新たな事実が分かれば同じページに掲載するとしています。
ここから先は公式の指示ではなく、この記事の提案です。情シス担当者の立場なら、次のことを考えておくと備えになります。
| やること | 位置づけ |
|---|---|
| 公式の注意喚起(不審なメール・リンク・添付への注意)を、社内の周知にそのまま流用する | 公式の注意喚起と同じ内容 |
| 社員の自治体の防災メールや、子どもの学校の連絡メールが止まっている可能性があることを、周知のついでに伝える | 提案 |
| 防災メールを装うメールに備え、不審なメールを見つけたときの社内の報告先をあらためて伝える | 提案 |
| 自治体の公式ページで、停止中の連絡手段と再開の案内を確認するよう促す | 提案 |
登録メールアドレスが対象かどうかを確認できる窓口や手順は、この記事の出典には書かれていません。確認するときは、お住まいの自治体の公式ページや、アルカディアの公式ブログを見てください。
防災メールの件で、公式に記載がない点
次の点は、公式ページに記載がなく、この記事では断定しません。
- 実際に外部へ漏えいした事実の有無と、二次被害の状況
- SpeeCAN RAIDENとライデン・スクールの、10月14日時点の復旧状況
- 全国で何自治体がこのサービスを使っているのか
- NET119・119RAIDENの件数が、どちらのサービスのものか(本文で区分されていません)
実際に動く前に、アルカディアの公式ブログと、お住まいの自治体の公式ページで、最新の内容を確認してください。
まとめ
- アルカディアが運営するSpeeCAN RAIDENなどへの不正アクセスで、登録者の情報が漏えいした可能性がある。メールアドレスは最大約313万6千件(公式は推定値としています)で、調査は継続中
- 10月14日の更新で、NET119と119RAIDENでも不正アクセスがあったことが追記された。映像通報は、現時点で漏えいのおそれはないとされている
- 決済情報・クレジットカード情報は、初報で、SpeeCAN RAIDENについて取り扱いがないため対象外とされている。NET119・119RAIDENは、この記事では確認できていない
- 横手市は、防災メールなどの配信を10月13日 11:00 から停止。復旧日は未定
- 公式の注意喚起は、不審なメールやメッセージに注意し、氏名・住所・パスワード・口座情報などを入力せず、URLや添付ファイルを開かない
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