Cloudflareは2026年10月27日(UTC)、自社の観測サービス Cloudflare Radar が2026年第3四半期(Q3)に捉えたインターネット障害を公式ブログでまとめました。件数は49件で、政府主導の遮断、電力障害、自然災害が内訳として挙げられています。日本の熊本の地震にも触れているため、ネットワークを預かる情シスはもちろん、社内の回線や拠点の備えを考えている人にも関係する話です。
インターネット障害49件の内訳:政府遮断が最多、電力と災害が続く
結論から言うと、2026年Q3のインターネット障害で目立ったのは、人の判断による遮断と、電力や自然災害といった足元の問題でした。サイバー攻撃ばかりが止まる理由ではない、ということです。
| 原因 | 件数 | 補足 |
|---|---|---|
| 政府主導の遮断 | 19件 | うちイラクの試験関連の遮断が18件 |
| 電力障害 | 14件 | 10か国で発生 |
| 自然災害 | 5件 | コロンビア・日本の地震を含む |
回復の早さも公式ブログに載っています。1時間未満で回復したインターネット障害が14件、3時間未満が16件でした。短時間で戻るものが多い一方で、数日続いた例もあります。
電力が原因のインターネット障害:キューバとホンジュラス
電力障害は14件で、10か国にまたがります。例として挙げられているのが、次の2か国です。
- キューバ: 電力網が不安定になり、7月6日・7月14日・8月3日・9月18〜20日にインターネット障害が起きました。トラフィックの減少幅は18〜59%です
- ホンジュラス: 9月10日に、相互接続施設の停電で約3時間の障害が起きました。少なくとも11の主要プロバイダーに影響し、HTTPトラフィックは全国で63%減っています
ホンジュラスの例が示すのは、1か所の停電が複数の事業者にまとめて響くという点です。厨房にたとえると、コンロが何台あっても、元のガス管が止まれば全部の火が消えるのと同じです。
冷却や地震によるインターネット障害:フェニックス、コロンビア、日本
電力以外にも、足元の設備や災害が原因になりました。
米国のフェニックスでは8月13日、データセンターの冷却システムが故障しました。その結果、Namecheap(AS22612)のトラフィックがほぼなくなっています。サーバーは電気だけでなく、冷やす仕組みが止まっても落ちるわけです。
コロンビアでは8月にマグニチュード7.4の地震があり、光ファイバーの被害と、地震後の広い影響が重なって、約4.5日間のインターネット障害になりました。
日本については、マグニチュード7.1の地震で熊本の約15万人に避難指示が出たと書かれています。インターネット障害の影響は主にデスクトップのトラフィックに現れ、モバイルはほぼ影響を受けませんでした。
政府主導のインターネット障害:イラクとエチオピア
件数で最も多いのが、政府主導の遮断の19件です。
- イラク: 試験に伴う遮断が18回ありました。毎回UTCの03:30〜04:00頃に始まり、15〜90分程度続いています
- エチオピアのティグレ州: 政府主導の遮断が10日間続き、同州のトラフィックは100%減りました
イラクの例は時間帯が決まっていました。一方、エチオピアの例は10日間と長く、同州のトラフィックは100%減っています。同じ政府主導でも、性質がかなり違います。
耐障害性が高い国でも起きるインターネット障害:米国・日本・ポルトガル
公式ブログは、米国・日本・ポルトガルを、耐障害性が高いとされる国の例に挙げています。それでもインターネット障害は起こりうる、という文脈です。
ポルトガルでは、Cloudflare Radarが9月13〜15日に、通信事業者のMEO(AS3243)の障害を観測しました。公式ブログは、大規模な攻撃があったと報じられたことに触れています。ただし、これは報道ベースの話で、原因が何だったのかは断定できません。
インターネット障害に備えて、やっておきたいこと
ここからは、情シス向けの筆者のおすすめです。
- 回線を1本に頼らない: 日本の例では、モバイルのトラフィックはほぼ影響を受けませんでした。拠点にモバイル回線の予備を用意しておくと、メインの回線が使えないときの選択肢になります
- 電源と冷却を単一障害点にしない: ホンジュラスの停電やフェニックスの冷却故障は、足元の設備が止まると広く響くことを示しています。自社の機器室やクラウド側の構成で、電源と空調の冗長化を確認しておくと安心です
- 止まったときの連絡手段を決めておく: 現場で起きそうな場面として、社内チャットも業務システムも見られなくなったとします。電話や個人の携帯のようなネットに頼らない連絡先が決まっていれば、最初の動きが速くなります
- 障害の原因を急いで決めつけない: ポルトガルの例のように、報道と実際の原因は別のことがあります。ログや事業者の公式情報で確認してから判断するのが安全です
今回のまとめを眺めると、ネットが止まる理由は、派手な攻撃だけでなく、電気、冷却、光ファイバー、そして人の判断まで幅広いと分かります。インターネット障害に備えるときは、攻撃対策と並べて、足元の設備と回線の冗長化まで見ておくと、迷いません。
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2026年10月27日(UTC)の公式ブログの情報をもとにしています。
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