DLPポリシーをEntra GSA連携で全Webサイトへ拡大予定

Purview の DLPポリシーが、インターネットの入口で多くの Web サイトとのやり取りを見守るイメージ ITニュース

DLPポリシーの適用範囲が、Entra GSA 連携で「すべての Web サイト」に広がる予定です。この記事は、Microsoft 365 ロードマップに 2026 年 10 月 12 日(UTC 23:01)付で載った項目(Feature ID 575285)をもとにした速報です。調べた日は 2026 年 10 月 13 日で、内容は「予定」です。すでに使える機能の話ではありません。

「うちの DLP、AI や主要なクラウドサービスは見てるけど、それ以外の Web サイトはどうなってるの?」

情シスをやっていると、こういう確認は何度か来ます。今回のロードマップ項目は、まさにこの穴に関係する話です。

結論:DLPポリシーを「すべての Web サイト」に広げる予定(開発中)

Microsoft Purview の network data security では、DLPポリシーを作れます。この DLPポリシーの適用範囲を、Entra Global Secure Access(以下 Entra GSA)の Internet Access と連携したときに、次のどちらかにできるようになる予定です。

  • すべての Web サイト
  • すべての Web サイトから、特定のクラウドアプリを除いたもの

ロードマップ上の位置づけは次のとおりです。

項目 内容
Feature ID 575285
ステータス In development(開発中)
パブリックプレビューの予定 2026 年 11 月
一般提供(GA)の予定 2026 年 12 月
対象 Worldwide (Standard Multi-Tenant)、Web、Microsoft Purview

出典: Microsoft 365 ロードマップ(Feature ID 575285)

大事なのは、これが「提供開始」ではなく「ロードマップに載った予定」だという点です。だから、時期は変わることがあります。

何が変わるのか:DLPポリシーが「名簿にある店だけ」から「入口で全部見る」へ

今の network data security は、次の範囲を対象に DLPポリシーを作る仕組みです。

DLPポリシーが、多くのWebサイトとのやり取りを漏斗でふるいにかけるイメージ
  • Defender for Cloud Apps のクラウドアプリカタログ(35,000 を超えるアプリ)
  • 生成 AI、クラウドストレージ、コラボレーション、SNS、Web メールといった adaptive app scopes

ごはんにたとえると、「予約名簿にあるお店だけ食べ歩きチェックをする」ようなものです。名簿にない屋台は、チェックの外にいます。

ロードマップの説明では、今回の予定が実現すると、Defender の Cloud App Catalog に載っていないクラウドアプリや Web サイトにも保護を広げられる、とされています。つまり「名簿方式」に加えて、「通りを歩く人全員を見る方式」が選べるようになるイメージです。ただし、これはあくまでたとえです。実際の挙動の詳細は公開されていません。

出典: Microsoft Learn: Learn about Microsoft Purview Network Data Security(2026 年 10 月 6 日更新)、上記ロードマップ

現行のDLPポリシーの仕様を確認する(Learn の記載)

予定の話を読む前に、現行仕様で押さえておきたい点をまとめます。いずれも Learn の記載です。

項目 内容
監視できるアクティビティ テキストの送信、ファイルのアップロード、テキストの受信、ファイルのダウンロード(4 種)
DLP のアクション Audit only(監査のみ)と Block(ブロック)
Entra GSA 連携 全アクティビティ・アクションに対応
必要なライセンス Microsoft 365 E7、または Purview E5 相当 + Entra Internet Access 相当
B2B ゲストユーザー ポリシーは適用されない
インライン評価のサイズ上限 テキスト 4 MB、ファイル 3 MB
反映の時間 連携設定後、ポリシー反映まで最大 24 時間。監査ログやアクティビティエクスプローラーに出るまで最大 30 分

また、ChatGPT などの一部のアプリは、エンコードされた内容や動的なエンドポイントで送信します。そのため、ポリシーの強制に影響することがあると書かれています。

DLPポリシーの変更は誰に影響するか

  • Entra GSA の Internet Access を使っている、または検討している組織: DLPポリシーの対象を「カタログにあるアプリ」から広げられる可能性があります。
  • Purview の DLP を運用している担当者: ポリシーの設計方針(どこまで見るか、何を除外するか)を見直すきっかけになります。
  • まだ導入前の組織: 今すぐ何かを変える必要はありません。ただ、ライセンス条件は Learn に書かれているので、押さえておくと話が早いです。

情シス担当者は、DLPポリシーの何を準備すればよいか

予定の段階なので、今やることは「準備」に絞るのがよいと思います。

  1. ロードマップ項目をウォッチする: Feature ID 575285 の時期やステータスが変わっていないか、たまに確認します。
  2. 現行の構成を棚卸しする: Entra GSA の Internet Access を使っているか、今の DLPポリシーがどのアプリを対象にしているかを整理します。
  3. 「除外したいもの」を先に洗い出す: 「すべての Web サイトから特定のクラウドアプリを除く」という形が示されています。だから、業務上止めたくない宛先をリストにしておくと、設計が楽になるはずです。
  4. ライセンスを確認する: 現行は Microsoft 365 E7、または Purview E5 相当 + Entra Internet Access 相当と Learn に書かれています。今回の項目でライセンス条件が変わるかは、確認できていません。

関連する記事は、サイト内のTech カテゴリーにまとめています。

ありがちな話:名簿に載ってると思い込む落とし穴

ここは実体験ではなく、現行の仕組みから考えられる「ありがちな話」です。

Learn によると、今の DLPポリシーはクラウドアプリカタログ(35,000 超のアプリ)と adaptive app scopes を対象に作ります。たとえば「この用途のサービスなら、きっとカタログに載っているはず」と思い込んだとします。すると、カタログにないアプリや Web サイトは対象外のまま、という状況が起こり得ます。

ラーメン屋の予約名簿を見て「今日の来店客はこの人たちだけ」と言っているのと同じです。飛び込みのお客さんは、名簿に載りません。「見ている範囲」と「実際に使われている範囲」は別物、と意識しておくとよさそうです。今回の予定は、そのズレを埋める方向の話に見えます。

DLPポリシーの注意点と確認できていないこと

速報として、確認できていないことを分けて書いておきます。

  • 時期は変わる可能性があります。プレビュー 2026 年 11 月、GA 2026 年 12 月は、ロードマップ上の予定です。前後することもあります。
  • どの時点でどのフェーズになるかは断定できません。ロードマップには General Availability と Preview の両方のタグが付いています。
  • 設定手順や画面、除外指定の詳細は不明です。ロードマップの「More info」リンクは空です。この項目専用の Learn やブログ、Message Center の一次情報は確認できていません。
  • 日本での提供時期は不明です。対象は Worldwide (Standard Multi-Tenant) と書かれていますが、日本で同じ時期かは確認できていません。
  • 性能への影響、誤検知、課金・ライセンスの差は確認できていません。「すべての Web サイト」に広げた場合の挙動は、この項目の情報からは分かりません。

関連する動き(副次情報)

Message Center の MC1478970(2026 年 9 月 24 日付)には、Entra GSA Internet Access 連携の DLPポリシーを、従量課金(pay-as-you-go)の設定なしで作れるようにする変更が載っているとのことです。2026 年 9 月下旬から 10 月下旬にかけて展開される、と記載されています。ただし、僕が確認できたのは非公式のミラーサイト(mc.merill.net)だけです。Microsoft 公式の Message Center 本体は確認できていません。参考程度に見てください。なお Learn にも、Entra GSA 連携では従量課金の設定は不要と書かれています。

まとめ

  • Purview の network data security の DLPポリシーを、Entra GSA Internet Access 連携で「すべての Web サイト」などに広げる予定が、ロードマップ(Feature ID 575285、In development)に載った
  • プレビュー 2026 年 11 月、GA 2026 年 12 月は予定で、変わる可能性がある
  • 今は準備の段階。現行構成の棚卸しと、除外したい宛先の洗い出しがおすすめ
  • 詳細な設定やライセンス差は、情報が出るまで断定しない

予定は予定、実物が来てから判断する。情報が出たら、また整理しますね。

参考: – Microsoft 365 ロードマップ(Feature ID 575285) – Microsoft Learn: Learn about Microsoft Purview Network Data Security

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